㊷霊界物語 第16・17巻に学ぶ(3)~宣伝使長 悦子姫の神人合一~  

「愛善世界」誌掲載文等

 第49巻(第6章「梅の初花」)に、八島主が初稚姫に結婚について語っている。ここに悦子(よしこ)(ひめ)の名が出て来る。独身ゆえの大活動とある。

八人(やたり)乙女(おとめ)の方々でも夫を持たれた方は家庭の主婦として自由自在の活動が出来ない様なものです。まだ独身でゐらつしやる英子姫様悦子姫様等はあの通りの大活動を試みられて居られますからな。それもやはり独身のお蔭ですよ」〔第49巻第6章「梅の初花」〕

 この第16・17巻で大活躍する悦子姫は、「宣伝使長」と言われている。また、悦子姫の宣伝歌中に、日の出神は「厳霊」とあるのに注目したい。

「三五教の宣伝使長悦子姫は立上り …                                    天の八重雲掻き別けて  天降(あも)りましたる(すめ)(かみ)                         (うず)御子(おんこ)と現はれし   神素盞嗚の瑞霊                                木花姫の(いく)御霊(みたま)     日の出神の厳霊〔第17巻第17章「有終の美」〕

【厳瑞二神の神懸かり】

 宣伝使長 悦子姫に厳瑞二霊の大神が懸かられ、その御神示を伝えるお役をしている。

(1)剣尖山麓で厳霊・天照皇大神が懸かられ、宮殿を造るよう宣示あり。

「吾は天照皇大神なるぞ、其昔此御山に現はれ、産釜、産盥と俗に称する天の真名井に御禊して、神格を作り上げたる我旧蹟なり、汝等宜敷く此処に宮殿を造り、我御霊を祀れ、悦子姫の肉体を借りて此由宣示し置く」〔第16巻第16章「神定の地」〕

(2)比沼の真名井ケ原(⑤)で瑞霊・豊雲野尊が懸かられ、神が守るので邪神とよく戦うよう御神示あり。

「我は豊雲野尊、又の御名豊国姫の神なるぞ…此聖地を我鎮座所…我は汝が影身に添ひ…神を力に誠を杖に善く戦へ、誠の鉾を執つて敵を言向け和せよ…何事も神に任せ汝等が力のあらむ限り誠を尽せよ」〔第17巻第6章「瑞の宝座」〕

豊雲野尊

(3)その後、悦子姫は、世継王山の麓の館で、国治立命、豊国姫命の厳瑞二神を鎮祭している。〔第18巻第4章「四尾山」〕

【宣伝使は神人合一】

 悦子姫は、神の言葉を伝えるのみならず、大神と神人一体となった御活動を行っている。             

 この文章の第1回目で、悦子姫が日の出神の御神格を備えた話を紹介したが、同様の話がある。清彦も日の出神の御神格を備え(第8巻)、また、伊太彦は、使命を果たすため木花姫の御守護を得ている(第63巻)。いずれも、身体的変化を生じているのが特徴である。

「闇を照して(うなり)を立てながら、此方(こなた)に向つて飛び来る火の玉あり、清彦の前に墜落するよと見るまに、清彦(あん)(ちう)に光を現はして、立派なる日の出神と少しも違はぬ容貌と化したり」〔第8巻第6章「火の玉」〕

(たちま)(やみ)の中に光明赫灼(かくしやく)たる神姿を現したる清彦は、絶対無限の神格備はり、仰ぎ見るに眼も眩むばかりに全身輝き渡りけり」〔第7章「蛸入道」〕

「伊太彦はスダルマ山の麓において(しば)らく神懸状態となつてより(には)かに若々しくなり体の相好から顔の色まで玉のごとく美しくなつてしまつた。これは木花姫命御霊(みたま)伊太彦に一つの使命を果さすべく、それについては大変な大事業であるから御守護になつたからである」〔第63巻第5章「宿縁」

 これらはまさに、大本教旨にいう神人合一である。

「神は万物普遍の霊にして 人は天地経綸の主体なり 茲に神人合一して無限の権力を発揮す」〔大本教旨〕

 また悦子姫は、大神が命ずるままに活動しており、これが宣伝使のあり方なのであろう。

 ◇今重大なる御神勅が下りました 〔第18巻第3章「神命」〕

 ◇一寸、神界の御用があるので 

 ◇神様の御命令で〔第4章「四尾山」〕

 なお、我々は日の出神の御光を浴びることも、また、厳瑞二神がお懸かりになることもないだろう。しかし、出口聖師は、初一念で神様から御内流をいただけると言われている。

「初一念と云って、初めてこの人はどういう病気だとか…というような事がフット浮かんで来る…初一念という事があるが、一というのは神でありヒである、即ちヒは霊であり神である…それで何でもフット感じた事を直ぐにその通り言挙げすべきである…何事も神様に任して行くのだ、宣伝使は神がお使いになるのだから初めに感じたことをドシドシ言えば良い…神様は初一念に何でも浮ばして下さる〔昭和2年4月6日 宣伝使会合に於て「神の國」令3年10月号」

〔令4・2・8記〕

〔『愛善世界』令和5年3月号〕

コメント

タイトルとURLをコピーしました