ウクライナやパレスチナでの戦争に加えて、二月二十八日、イランに対するアメリカ、イスラエルの軍事攻撃が突然、始まった。
こうした世界情勢に対して、出口直子五代教主さまは「平和の御教えを、世界にお伝えしていかなくてはなりません」との「年頭ごあいさつ」(『愛善世界』令和八年一月号)を出された。

令8年1月号
これを我々信徒はしっかり受け止め、まず身近な人たちへの宣教から始めるなど、その具体化に取り組んでいかなければならないと思う。
なお、私の「YouTubeチャンネル藤井盛」には、現在六六十人の登録がある。アクセス数八万四千回のうちには、外国のタイやブラジル、フランス、マレーシア、スペインの五カ国からのものもある。

〇軍事大国の併呑主義
八巻に「併呑主義」が出てくる。ロシアはウクライナを自国領土にせんとし、アメリカは、イランの政権を自分たちに有利なものに変えようとしている。まさに「併呑主義」が、ぴったり当てはまる。

「大自在天の一派は、精鋭なる武器もあれば、権力も持つて居り知識もある。加ふるに天の磐船、鳥船など無数に準備して、併呑のみを唯一の主義として居る体主霊従、弱肉強食の政治だ」 (八巻二八章「玉詩異」)
「精鋭なる武器」や「天の磐船」からミサイルやドローンが連想され、「権力」からはプーチン大統領やトランプ大統領などが連想される。「併呑のみを唯一の主義」とする彼らの軍事大国は、「体主霊従、弱肉強食」の国ということになる。
なお、八巻には「石屋」、つまりフリーメーソンという結社について言及がある。
「学者階級とか…大宗教家とか云ふ所の偽聖者が…大本の出現を忌み嫌ひ…反対論を新聞…に掲載し、以て天下の思想界を攪乱せむとする石屋の手先が…大々的妨害」(八巻四一章「言霊解三」)
大本の出現を妨げんとする石屋、つまりフリーメーソンには多数のユダヤ人が加入しているという。このことと、「イスラエル側の『偽情報』が軍事作戦に利用された」(朝日新聞3月19日)というアメリカのテロ対策高官の批判を重ねると、今回の軍事攻撃にも、石屋、フリーメーソンのよからぬ動きがあるのではないかと、つい想像してしまう。 また、『神霊界「随筆」』にも「知畧縦横の石屋の悪神」(大正八年一一月一月号)などの表現で、石屋、フリーメーソンの記述が結構出てくる。


〇悪神を退ける神力
この大自在天の武力に対して、蚊々虎を先頭とした言霊と日の出神の火の玉が威力を発する。
「神が表に現はれて 善と悪とを立別る…
慄ひ戦く民草を 救けむ為めの宣伝使…
光り輝く蚊々虎の 二つの眼に照されて…
日の出神が現はれて 世界を照す五月姫…
救ひの船に早く乗れ 乗り後れなよ神の船」(八巻二九章「原山祇」次も同)
「皎々赫々たる巨大なる火の玉は、五色の輝きを見せて空中に揺らいで居る」
これらの威力に天磐船、鳥船は逃げて行く。
「このとき天空を轟かして幾千とも数へきれぬ天磐船、鳥船が北方の天高く姿を隠しける」
中東の空を飛び交うミサイルやドローンも、言霊と火の玉の神力で消し去ることはできないだろうか。
なお、日の出神は黄泉比良坂の戦いにおいても、火の玉となり魔軍を悩ましている。
「日の出神は比良坂の坂の上に立ちて…魔軍に向ひ…巨大なる大火球と変じ、魔軍の頭上に向つて唸りを立て…魔軍は、神光に照されて眼眩み」 (十巻二四章「言向和」)
厳霊たる伊弉諾の大神の御子である日の出神の活躍は、直接的でわかりやすい。
○盗人になっても救われる
一方、蚊々虎はわかりにくい。蚊々虎は木花姫の化身で、木花姫は五六七大神の御活動そのものであり、いろいろな神に変現し万有を済度する。
「木花姫の神様…五六七大神様の一部又は全部の御活動…天照大御神…棚機姫…木花咲耶姫…観自在天…観世音菩薩…蚊取別、蚊々虎、カール、丹州等…素盞嗚尊…人間…獣…虫族…草木にも変現して万有を済度…五六七大神様の御真相」 (四十巻六章「仁愛の真相」)
同様のお示しもある。
「木花姫は、神、顕、幽の三界に出没して、三十三相に身を現じ、貴賤貧富、老幼男女、禽獣虫魚とも変化し、三界の衆生を救済し…観世音菩薩…最勝妙如来ともいひ」(六巻二四章「富士鳴門」)
ところで、蚊々虎が霊界物語で最初に出てくるのは、国祖の大神の神政を妨害するために開かれた常世会議に、悪神の大自在天大国彦の家来としてである。
「大自在天大国彦側よりは…蚊取別…醜国別…蚊々虎…高彦らの神人…出席したり」(四巻一章「常世会議」)
八巻にある醜国別との再会は、こうした蚊々虎の過去を証する。
「蚊々虎は醜国別の顔を熟視し、『やあ、あなたは御主人様』」 (八巻一四章「秘露の邂逅」)
蚊々虎は、さらに過去の悪行を語る。高白山を攻め、御三体の大神様の御宮毀ちをしている。
「俺等と一緒に高白山を攻めた時、爆弾に命中つて脆くも死んだ筈のお前が」(八巻二五章「火の車」次も同)
「元は醜国別と云つて…御三体の大神様の御宮毀ちの張本人だ。私はこの男に頤の先で使はれた丈だ」
また、出自も明かす。金毛九尾の悪狐が憑依する常世姫と盤古神王の子、常照彦だという。
「元を糺せば尊き神の御血筋、稚桜姫の神の御子の常世姫が内証の子と生れた常照彦」(八巻一六章「霊縛」 内証=内々にしておくこと)
「元を糺せば盤古神王の遺児、常照彦」(八巻二八章「玉詩異」)
加えて、蚊々虎に八岐大蛇の眷属が憑依する。
「蚊々虎の神懸りに向つて霊光を放射…『イヽ痛い痛い、赦せ赦せハヽ白状する。妾はヤヽ八岐の大蛇の眷属、八衢彦である』」(八巻一六章「霊縛」)
こうした蚊々虎が木花姫の化身だという。悪行を重ねて来た過去や親が常世姫という出自、邪霊の憑依。しかし、蚊々虎が木花姫の化身であることを、大蛇は知っていた。
「偉い奴だ。此処に居る四人の宣伝使は盲目だから俺の素性を些とも知らないが、貴様は俺の正体が分つたと見える」 (八巻三六章「大蛇の背」)
私は、車の中でずっと自分の拝読した霊界物語の録音を聞いている。しかし、八巻を聞きながら、私自身、蚊々虎が木花姫の化身だということに気がつかなかった。
蚊々虎の正体を知ったのは、八巻の巻末の「あとがき」(天声社版。愛善世界社版は巻頭「凡例」)を聞いてからである。
「蚊々虎(後に珍山彦)といふ木花姫命の化身が面白可笑しく、誠の道を説き諭す実況が巧みに描き出されてあります」
また、蚊々虎と同じく大自在天の部下であった蚊取別も、木花姫の化身である。
「大自在天大国彦側よりは…蚊取別…蚊々虎」 (四巻一章「常世会議」)
「木花姫の神様も…蚊取別、蚊々虎」(四十巻六章「仁愛の真相」)
この蚊取別が、三ツ葉彦命を攻める場面がある。
「蚊取別は数万の魔を幾百万の蚊軍と化せしめ…玉ノ井の邑にすすましめ…三ツ葉彦命は…湖水の敵軍に向つて天津祝詞を奏し」(三巻一六章「玉ノ井の宮」)
三ツ葉彦命たる出口聖師の御霊は素盞嗚尊。木花姫の化身同士が戦う奇妙さ。
新新2-1024x576.jpg)
「木花姫の神様…蚊取別…素盞嗚尊」 (四十巻六章「仁愛の真相」)
悪神として登場する蚊々虎や蚊取別のわかりにくさを理解するのに役立つ記述が、二十一巻にある。盗人を改心させるために、自らが盗人になるのだという。
「木花姫命様は三十三相に身を現じ盗人を改心させようと思へば自分から盗人になつて、一緒に働いて見て『オイ、盗人と云ふものは随分世間の狭いものの怖ろしいものだ。斯んな詮らない事は止めて天下晴れての正業に就かうぢやないか』と云つて、盗人を改心させなさると云ふことだ」(二一巻四章「砂利喰」)
盗人になっていても救われるということ。蚊々虎や蚊取別が、悪人らの中に身を置いていたからこその説得力というものか。
〇花笑う天国へと導かれる
蚊々虎はひょうきん者である。八巻での駒山彦との掛け合いは面白い。「口に千年」などと冗談を言いながら、正体をすっと語っている。
「駒山彦『よく饒舌る奴だなあ、口が千年ほど先に生れたのだらう』
蚊々虎『山に千年、海に千年、口に千年といふ劫を経た兄さまだよ』
『蟒みたいな奴だな。三千年経つて、初めて人間に生れると言ふのだが、貴様は何時人間に成るのだい』
『人間どころか、俺は神さまだよ』」
また、蚊々虎は、旅で寝ている宣伝使の顔に、ブドウの汁でいたずらをする。ここの場面がおかしく、私はYouTube藤井盛の中で笑っている。
「此奴の額に何と書いてやらうかナ。分つた『五月姫欲しさに、よう妬く男』と…」 (八巻三三章「天上眉毛」)
-1024x576.jpg)
蚊々虎を「剽軽な奴、春のようだ」などと淤縢山津見(醜国別の改心後の名前)と五月姫が語る。
「淤縢山津見『…剽軽な奴で、比較的豪胆者…旅の憂さ晴らしには打つてすげたやうな』」
「五月姫『本当に面白い方…何時も笑ひ通しで春のやうな心持がします』」
蚊々虎が木花姫の化身と知った上で再度、八巻を聞いた。改めて気兼ねのない自由さ、面白さを知った。八巻「凡例」(愛善世界社版)にあるとおり、「斯くすべき」という堅苦しさはなく、霊性の糧を得、花笑う天国へと導かれる。
「栗原古城氏『青い鳥のをしへ』の序文…「斯くせよ」「斯くするな」と命令することはありませぬ…敬虔の心を持し…考慮する人…この上も無き霊性の糧…霊感の源泉…『霊界物語』…無限の意味…凶を変じて吉となし…地獄の焦燥苦悩より花笑ひ鳥歌ふ天国楽土へ無事到着」(八巻「凡例」愛善世界社版)
〇宣伝使の身に添う
蚊々虎に変現した木花姫はわかりにくいが、天国で醜穢な非人となり、宣伝使たちを鍛える場面はわかりやすい。
「拳骨をかためて非人の頭を…殴つた…醜穢見るに忍びなかつた非人の姿は…容色端麗なる妙齢の美人と変り…『治国別さま、貴方は本当に神の愛が徹底しました」(四十七巻一四章「天開の花」)
また、女宣伝使らの娶りに、蚊取別、蚊々虎とも直接関わっている。
蚊取別は祝姫を夏彦と娶すため一旦自分の妻とし、蚊々虎は、元の天使長桃上彦の正鹿山津見の二度目の妻として、五月姫を娶せている。
「夫婦となるべき霊…固より一定不変…蚊取別…祝姫の霊の夫婦に巡り会ふまで…一旦自分の妻神と名付け、時機の来るのを待たせ」(十二巻一五章「宣直し」附言)
「男女の息を合し…人を生み、神様の御用…寡夫…寡婦…第二世の夫なり妻を娶る…三回…天則に違反…夫婦は二世」(八巻三五章「一二三世」)
御神業に奉仕する宣伝使の身に添い、あるべき方向へと木花姫が導いておられる。
○「凡人小智」から脱する
木花姫は伊都能売御霊でもある。
「神素盞嗚尊の聖霊…観世音菩薩木花姫命…伊都能売御魂(弥勒最勝妙如来)となり」
(入蒙記八章「聖雄と英雄」)
伊都能売御霊も千変万化、変幻出没自由自在、臨機応変である。
「瑞の御霊の神業は操縦与奪其権有我の力徳… 右に左に千変万化の活動」(七十三巻「総説」以下も同)
「伊都能売の御霊…益々その行動の変幻出没自由自在なる」
「伊都能売神の神霊…三十三相は言ふも更なり、幾百千相にも限りなく臨機応変」

なお、この臨機応変ぶりは「凡人小智の窺知すべき限りにあらざる」とあり、しかも
「神界の深遠微妙なる経綸については千変万化極まりなく、善悪相混じ美醜互に交りて完全なる天地は造られつつあるなり」
とある。こうしたとらえ難さを承知した上でなお、神様からいただいた霊界物語から学び、「凡人小智」から脱したいものである。
〇神様に「バカの壁」を築く人々
養老孟司著『バカの壁』(新潮新書)を読んだ。四百六十万部以上のベストセラーである。本の中に「バカの壁」の説明がある。

「自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在…一種の『バカの壁』です」(一四頁)
知りたくないことは壁で遮断するとあるが、読み進めると神様のことが出て来た。養老氏は、神様は人間の頭の中で作ったと言う。
「神というのは人間の進化、脳の進化そのもの…本来、神というのは人間が昔から頭の中に作ってきた存在です」(八一・八四頁)
養老氏の言葉を借りれば、氏は、神様のことを知りたくないので、神様に「バカの壁」を築いていることになる。養老氏に限らず、世の中の多くの人が神様に壁を築いている。
その壁を取り除くため、我々信徒は御教えを世の中に伝えていかなければならないが、御教えを伝えるべき我々信徒の中に、御教えに壁を築いている者はいないだろうか。真の信仰はまず、神様を理解することから始まる。御教えを学ばなければ神様を理解できない。
「真の信仰とは心の底から神を理解し、神を愛し、神を信じ、且つ死後の生涯を固く信じて神の御子たる本分を尽し、何事も神第一とする所の信仰である」(四十七巻九章「愛と信」)
(令8・4・2記)〔『愛善世界』令和八年六月号掲載〕


コメント