信仰者の臨死体験(レポート9)

勉強会レポート

 今年は、元伊勢と出雲出修百二十年及び霊界物語口述百年に当たる。また、大本の重要な御経綸が行われてきた九月八日に、本宮山教碑が建立されて今年は九十年に当たる。

 神は万物普遍の霊にして 人は天地経綸の大司宰也 神人合一して(ここ)に無限の権力を発揮⦿()

 「人」のヒは神霊、トは留まる。「⦿()」は主神のス。聖師が主神の神霊を宿した御神格であることが刻まれた教碑が建立された十日後に満州事変が勃発し、世界が大きく動いて行く。

 教碑建立九十年の今年もコロナ禍で世界が大いに揺れている。コロナ禍は「地球生態系における人類という種の、突出した繁栄に起因」(朝日新聞令和3年8月27日「月刊安心新聞+plus」神里達博氏)との意見は、大本神諭の「世界中が物質(ぶつしつ)からの学で、(ここ)までに開けた世の(ねん)()きとなりたから、今が神徳と物質(ぶつ)の終りの(かは)り目の、大峠となりて来た」(大正5年旧2月3日)に通じる。

 先月七月、出張先で直接臨死体験を聞いた。「美しい花畑が一面に広がり、そこへ進んで行きたい気持ちでいっぱいになった。しかし『やり残したことがあるだろう』と後ろから言われて、我に返った」

 また、立花隆氏の著書「臨死体験下」にある米国女性の体験。「すさまじい光のエネルギーがわたしを包み…光は愛に満ちて…この光が神なのだわ」(45頁)。鈴木秀子さんも「一瞬のうちに高さの極みに飛翔し、それまでに見たことがないような美しい光に包みこまれ…生命そのものの光の主に、私はすべてを知りつくされ…完全に愛されている」(「臨死体験生命の響き」)

 勉強会は八月二十三日。第五十二巻第九章「黄泉帰」で、文助さんの臨死体験を学んだ。文助さんも私が出張先で聞いたように「愉快な気分に充たされ…(うる)はしき所があるやうな思ひで」進み、「第三天国の広大な原野」を彷徨(さまよ)うている。

 また、前述の女性らが神様を感じたように文助さんも「神に親しみ神に仕へたる赤心(まごごろ)のみ残存し…只神に関する知識のみ益々明瞭になつてゐ」る。そしてこうある。

 ◇神は(ただち)に生前の悪と善とを調べ、悪の分子を取り去つて、可成(なるべ)く天国へ救はむとなし給ふ。

 ◇死後は…自愛の悪念は払拭され、其内分に属する善のみ自由に活躍することを()るが故に、死後の安逸なる生涯を楽しむ事が出来る。

 ◇如何なる者と(いへど)も、あらゆる方法手段を尽して、之を天国に導き、天国の住民として霊界の為に働かしめ(かつ)楽しき生涯を送らしめむと念じ賜ふ(第五十二巻第九章「黄泉帰」)。

 このように、我々を天国へ救わんとされる大神様への信仰を励み、昇天に際しては宣伝使知団周造氏のようにありたいものである。

 「皆さん、あれを見なさい。金と銀の美しい(すだれ)が下っていて、その向こうで、美しい天人たちが舞を舞っていて、実に(たと)えようもない。あの美しい音色も聞こえるでしょう」

 (「愛善世界」平成28年12月号・宣伝使知団周造氏の信仰)

                      (令3・8・30)
〔『愛善世界』令和3年11月号掲載〕

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