教えは悪事を働けるもののため(レポート14)

勉強会レポート

 同じ日の新聞(朝日新聞令和四年一月二十八日)に興味ある記事が二つあった。俳優の高橋英樹さんの語りと福島原発事故放射能汚染による甲状腺がん被害者の提訴の記事である。二つは「見えない悪」で共通していた。

 髙橋さんが時代劇の悪役を語っている。「時代劇でよくある悪代官と結託する越後屋とかは、現代の日本では倒すべき悪にはならない。それは、現実界で『見えない悪』がはびこっているから」というのである。

 平成二十八年三月十日、東日本震災犠牲者慰霊五年祭参拝の折、「ふくしま共同診療所」を訪れた。

 診療所は、福島原発事故放射能汚染で多発した小児甲状腺がんを診療しているが、国や県はがんが放射能の影響だと認めない「見えない悪」がそこにあった。認めれば、事故がチェルノブイリ級になり、福島県民全員退避とか国家賠償が問題になるからだという。

 原発事故から十一年になる一月二十七日、甲状腺がんになった六人が東京電力を提訴した。被害者は差別や偏見の中にあるという。

 「みえない悪」への抵抗になるのか、私は大飯(おおい)原発差止訴訟(京都地裁)の原告三四七七名の一人となった。また、診療所訪問のレポートの入った「愛善世界」誌(平成二十八年五月号)を、平成三十一年四月二十日、イージス・アショア配備反対集会で講演された東京新聞望月()()()記者に手渡した。上関(かみのせき)原発設置の見直しを表明された二井関成前山口県知事にも、同誌を郵送した。

 ここ最近の勉強会などで「見えない悪」を学んで来た。高田悪次郎たる安田善次郎や渋沢栄一(「愛善世界」誌令和三年九月号掲載)は、世間では善人・善徳者、優れた経済人などともてはやされているが、実は「大悪党」(第五十二巻第二七章「胎蔵」)だと今回一月二十四日の勉強箇所でも、改めて明示されている。

 世に「見えない悪」がはびこり、人々の善悪の判断能力が低下して来たからこそ、「善と悪とを(たて)()ける」「直日に見直せ聞直せ」と宣伝する大本神の出現に至っている。

   ○ 

 ところで、今回の勉強会の中で思ったことがある。御教えの主旨は人々の救いではないか、霊界物語は改心の物語ではないか、いたずらに、悪をあげつらうのが目的ではないのではないか。「道の栞」の御言葉を思い出した。

 「この教えは清き正しき人のために降したまいしにあらず。わけ知らぬもの、またずぼらもの、神の御心に背けるもの、罪深きもの、あらゆる悪事を働けるもののために、天より降されし(みことのり)なり。盗み、偽り、(おご)り、高ぶり、(ののし)り、いたずらごとを好むなぞの心を(きた)め直して、この土の上に天国を立てんがためなり。」

       (「道の栞」番外無題)                   

         (令4・2・19)
〔『愛善世界』令和4年4月号掲載〕

コメント

タイトルとURLをコピーしました