一月の夜八時ごろ、東南の空に冬の星座で代表的なオリオン星座を見ることができる。
◆救世主の証(あかし)
オリオン星座には、縦に並んだ三つ星がある。同様に聖師の背中にも縦に三つ、黒子が並んでいる(昭和四十七年発行大本教学第十一号)が、それが聖師が救世主である身体的証の一つだと霊界物語に示されてある。(入蒙記第九章「司令公館」)
また、第二次大本事件回顧歌集の『朝嵐』にはオリオン星座を詠んだものが多数ある。
オリオンの星座に吾はなげくなりまがのたけびのふりかゝる世を
オリオン星座は三つ星を四つの星が囲んだ形であるが、聖師はご自身を三つ星にたとえておられ、囲んだ四つ星でたとえた官憲の牢の中にとらわれているという形で歌を詠まれている。
◆三葉彦
物語には、
「三葉彦命は、天の三ツ星の精魂の幸はひによりて地上に降り、真道姫の体に宿りて玉ノ井の邑に現はれける」(第三巻第一五章「神世の移写」)
とあり、さらに、
「三葉殿御苦労なれど、これから冥界の修業の実行をはじめられよ。顕幽両界のメシヤたるものは、メシヤの実学を習つておかねばならぬ」(第一巻第七章「幽庁の審判」)
とか、
「三ツの御魂に因縁ある三葉彦命の再生なる神柱」(第五十五巻序文)
などとあり、つまり、聖師が三ツ星から地上に降った三葉彦命で、救世主だということが示されてある。
ちなみに、この三葉彦が三大教の教主であり、三大教は五大教と統一して三五教になっている。(第六巻第三六章「三五教」)
ところで、三葉彦は名前を広道別、さらに太玉命と変えている。そして天照大御神が岩戸にお隠れになったとき太玉串を奉るのであるが、こうなると物語の理解が少し難しくなる。(第六巻四二章「途上の邂逅」等)
◆女神
聖師は二回目の高熊山修業で、オリオン星座から現れた姫神に心が奪われ、また、一切が金色の心地たるオリオン星座に運ばれて、「エロの神」たる姫神から玉手箱を授けられるのである(回顧歌集『霧の海」』)が、聖師がオリオン星座の三つ星だとすると、聖師ご自身が女神だということになる。
◆一厘の仕組
ところで、木庭次守氏の「新月の光」には、「一厘の仕組」が古事記の大后息長帯日売命(=神功皇后)の帰神のところに示してあると聖師が教えられたと書かれてある。(八幡書店版下巻)
古事記(「神功皇后の神がかりと神託」)に、神功皇后に懸かられた神様の名前について「これは天照大神の御心による。また底筒男・中筒男・上筒男の三柱の大神である」という箇所があるが、物語では、この底筒男等三神は瑞霊のご活動だと示されてある。(第十巻第二六章「貴の御児」等)
また、この神功皇后は、御手代発祥の杖立温泉で入浴されており(入蒙記第三章「金剛心」)、また、皇后は、聖師の産土神社である小幡神社のご祭神開化天皇のひ孫の娘と言われている。
つまり、如是我聞ではあるが、聖師と関係のある神功皇后に、少なくとも瑞霊がお懸かりになられていることを、「一厘の仕組」だと聖師は言われたのであろうか。
そうして、物語ではこの底筒男等三神を「墨江の三前の大神」と示されてあるが、説として「神名中の『筒』とは『星』のことで、住吉三神はオリオン星座の三つ星を神格化したもの」というものがある。もしそうであれば、オリオン星座の三つ星が瑞霊、つまり聖師だということに結びついてくる。
以上、このように整理してみると、オリオン星座の三つ星への親しみと何より聖師への思いが、一層増すこととなる。
(平27・1・14記)
〔『愛善世界』平成27年2月号掲載〕
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