この勉強会レポートの40(『愛善世界』誌令和六年十月号掲載)について手紙をいただいた。入蒙に随行した松村真澄氏が大本を去ったとあるが、真相を知りたいとのこと。霊界物語の筆録者で、帰国後も世界宗教聯合会の発会(入蒙記三八章「世界宗教聯合会」)にも尽力した松村氏を『大本七十年史』に追った。
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大正十四年六月任命の信教宣伝使に名前があるのが最後で、第二次事件で起訴された方々の中にも名前がないことをお伝えした。またその後、別の方から、大本神諭(大正三・旧七・一一)に「変性女子は人民からは赤ン坊」とあるとおり、出口聖師は皆から誤解されやすいこと、さらに、同じ筆録者であった北村隆光氏も大本を去ったことを教えていただいた。
確かに、「無限絶対無始無終に天地万有を創造賜」(六十巻一六章「祈言」)ふ大天主太神の御教えも、また弥勒の下生(入蒙記八章「聖雄と英雄」)たる出口聖師のことも、理解することは本当に難しい。難しいから、身近な信徒までもが離れ、また組織も分裂して行くということだろう。
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大本山口本苑の月次祭への参拝者が減っている。その対策に、信者さんの家庭あてにアンケートをしてみてはどうかとの提案があった。アンケートの実施が、信徒の皆さんの信仰の刺激になればと思うところである。
ところで、私の「YouTube藤井盛」で一番アクセスがあるのは、八雲琴の演奏である。家元親子が弾かれた「秋風曲」で、アクセス数が四千八百回を超える。全体のアクセス数五万五千回の一割弱に当たる。

八雲琴の曲が、なかなか一般の皆さんにはとっつきにくい大本の御教えや霊界物語へのお導きの一つとなることを願っている。
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一月二十七日(月)の勉強会は、五十五巻八章「放棄」から一一章「経愕」まで。五十五巻は、入蒙記を経てのまる一年ぶりである。
宣伝使治国別の宣伝歌により、テームス家で三組の夫婦が結ばれる。
「男女の嫁ぎの道は 天にます神八百万
地にます神八百万の 神のよさしの其儘に
定まるものと知るからは」(九章「三婚」)
なかにも、ビクトリヤ王の子と生まれたお民と左守の司のキユービツトの子のアーシスは、高貴な生まれながらもいずれも本妻の子ではなく、世の荒風に揉まれての結婚であった。
一方、この宴席にはテームス家の二人の娘をさらい、その後改心した元バラモン将軍の鬼春別がいた。人民の膏血を搾って巨万の富を得たテームス家の頑固爺を改心させんと読経する。
「三界は安きこと無し、猶ほ火宅の如し。衆苦充満して、甚だ怖畏す可し」 (一一章「経愕」)
煩悩と苦しみに満ちたこの世は、火に焼けている家。法華経譬喩品第三「三界火宅の譬え」
(令7.7.28記)
〔『愛善世界』令和7年3月号掲載〕
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