参政党の憲法案に懸念を示す意見が、七月二十一日(月)の勉強会であった。
その憲法案には「日本は、天皇のしらす…国家」とあり、現行憲法の「天皇は、日本国の象徴」という基本を廃し、「国民主権」の言葉もない。明治憲法の「大日本帝國ハ…天皇之ヲ統治ス」という戦前の天皇専制国家体制の復活を目指すのか。
さらに、同党代表は七月十二日の鹿児島市での演説で、「共産主義がはびこらないよう治安維持法を作った」と発言し、共産党は治安維持法の「事実上の肯定だ」と反発している(東京新聞七月十五日)。
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大本は、天皇専制国家体制下の治安維持法により大弾圧を受けた。「昭和三年三月、みろく大祭で、天皇を奉戴する日本帝国の立憲君主制を廃止して、出口聖師を独裁君主とする結社を組織した」(要約)という理由である(昭和十五年二月二十九日・一審有罪、早瀬圭一著『大本襲撃』参考)。
その後、大審院判決(昭和二十年九月八日)で治安維持法違反は無罪となったが、聖地が不法に破却、処分されたのみでなく、獄中死等が十六名にも及んでいる。

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しかし、事件解決祭(昭和二十年十二月八日)で、出口聖師の沈黙の中で行われた出口伊佐男氏の挨拶は、まるで当局へのへつらいである。
「私どもの不注意の為に事件が起き」「弾圧に対し当局を恨む気持は毛頭無い」「警察署長さん等の…絶大なる御好意により…綾部神苑…返還して頂く」(『愛善苑』創刊号)
一方、出口聖師のお歌は、全く反対である。
「後の世の笑話の種となりぬべし大根芋の無法の公訴は」(『朝嵐』1325)
「両聖地を安価で町に売払へと黒犬牙を光らせ迫りぬ」(同1371)
「中立売署酷の荒びに堪え切れず首締め上天したる栗原」(同1301)
「大宇宙はらに納めし化けものをしらみのさはく闇夜なるかも」(『月照山』464)
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勉強会は、五十六巻四章「盗歌」から七章「高鳴」まで。地獄に籍を置き、尊大自我の心強く、他に対して軽侮の念を持し、自分を尊敬せざる者には、威喝や憎悪、復讐的の相好をなす高姫が登場する(六章「高圧」)。
大神様の御慈悲で、中有界に留め置かれたのも知らず、「義理天上日出神の生宮」と自称し、自分に従わさんと、高姫の支離滅裂な発言が延々と続く。今回、参政党に投票した人々が多いようだが、この高姫に従う者も出て来る。一方で、ケリナはきっぱりと断る。
「私は私で信ずる神様が厶いますから、折角乍ら御辞退を致します」(六章「高圧」)
(令7・7・26記)
〔『愛善世界』誌令和7年9月号掲載〕
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