霊界での御幸はいを祈る(レポート19)

関門橋 勉強会レポート

 冥土の八衢(やちまた)で、ヱルサレムの宮を叩き潰した主犯と従犯の男が、幽庁の伊吹戸主神様(いぶきどぬしのかみさま)の裁きに送り込まれる場面がある(52巻24章「応対盗」)。

 大正十年二月十二日に起きた大本第一次事件の首謀者をめぐる話で、従犯の(けい)(すけ)は頭の白い六十歳で泥棒会社の社長だとある。また、停車場で胸に行き当たつたものがあるともあり、大正十年十一月四日、東京駅で刺殺された平民宰相・原()()助)がモデルである。

 一方、主犯の片山狂介は、軍閥の細長い六十位な男で、幾万の精霊を幽界に送ったとあることから、大正十一年二月一日に病没した元老・()()()())有朋(狂介とも名乗った)がモデルである。

 この場面は二人が亡くなって、わずか一、二年後の大正十二年二月十日に口述されている。現界で政界の大物として幅を利かした者らも、幽界では一人の精霊として裁きを受けるという「お示し」であるが、大本を弾圧した者らを「見せしめ※」にしているようにも感じる。

  ※万古末代、善と悪との鏡を出して、善悪の「見せしめ」をいたす世界の大本と成る尊い所

 〔大本神諭 大5・旧12・3〕

 七月八日、安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され殺害された。これを知り、直ぐに前述の霊界物語の場面が思い浮かんだ。

 安倍氏は原敬と同様、白昼に暗殺され、また、山縣有朋とは同じ山口県出身である。ともに二度の首相を経験し、安倍氏も山縣と同様、従一位に叙せられ、最高位の大勲位菊花章頸飾の勲章を贈られる。また同様に、国葬も行われる。

 さらに、山縣が軍拡を進めたのと同様に、安倍氏も、閣議決定で憲法解釈を変更し、従前認められていなかった集団的自衛権の行使を一部容認した。これに対して「軍隊として戦争することに他ならない」という意見もある。

 六月二十七日の勉強会は、五十三巻一四章「女の力」から一五章「白熱化」まで。二人の美女が、バラモン将軍二人を籠絡する話がこれまで続いたが、ついに「女の魔力」により、捕らえられていたビクトリア王らの解放に成功する。

 もし、安倍氏に旧統一教会との関係を「女の魔力」で絶たせるような美女がいれば、安倍氏はメッセージ動画を寄せることもなく、また、恨みを買って殺されることもなかったであろう。 

 これまでレポートで何度か、安倍氏を引き合いにした。特に林外務大臣との地元選挙区をめぐる争いのとばっちりで、私の友人の山口県副知事が辞職させられた〔レポート13〕のは、とても悔しい思いをしたが、レポートにある中で次の言葉が一番厳しい。

 「もし森友問題等で政治家が欺騙(ぎへん)(あざむきだます)に富んでいるのなら、六十三巻(一○章「鷺と鴉」)にあるとおり、足を上空にし頭を地に(さかさま)にして投げ込まれるやうにして落ち行く」         

 〔レポート10:一部加筆〕

 私は、安倍氏の父晋太郎氏と握手をしたことがある。旧制中学を含む高校の同窓会で、その手の柔らかかったのを覚えている。勤め先の山口県庁に設置された安倍氏の弔問記帳所で私は記帳し、一人の精霊として幽庁で裁きを受けるであろう、晋太郎氏の息子たる晋三氏の霊界での御幸はいを祈った。

          (令4・7・21)

 〔『愛善世界』令和4年9月号掲載〕

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