祖霊の罪業を取る(レポート45)

勉強会レポート

 お歳暮を持ってきた叔母の顔に驚いた。表情が全く変わって、穏やかで柔和となっていた。(けん)が取れ、別人のようだった。

 三年間のうつ病が治り、久しぶりに叔母に会った時のことである。私が入院をしていた時、叔父が亡くなり葬儀に行けなかったので、叔母の家に叔父を拝みに行った。

 叔母の一人息子は三億円の借金をした。共同経営を持ちかけられて、相手の借金を背負わされた。叔母の家のために、私の家が潰れてしまうほどのお金を、貸金業者から借りることを父親が承諾しようとした時、私は叔母と言い争った。その時の(けん)ある顔が、すっかり変わっていた。

 叔父の仏前で法華経を唱えて、叔母の話を聞いた。多額の借金で家も土地も取られてしまい、自殺を考えた夜、以前親戚に連れて行ってもらった法華経の行者に会いに行ったという。叔母は、それから熱心な法華経の信者となった。

 「私を法華経に導いてくれたのは、三億円の借金を背負わしてくれた人のお陰」と叔母は思い、本人は逃げていたので、その親に御礼を言いに行ったとのことであった。 私はその話を聞き、「私をうつ病にさせた副知事は私の恩人に違いない」

 叔母の息子は、昔から、決まった日に怪我をしていたという。大きな交通事故に遭ったこともある。叔母はお寺の過去帳を調べ、その日が祖先が自殺をした日であることを知った。また、先祖には、他家から恨まれる罪があったという。叔母は、これらの罪業を取ろうと一生懸命であった。

 二月二十五日(火)の勉強会は、五十五巻一二章「霊婚」から一四章「春陽」まで。

 テームスは鬼春別の読経で人事不省に陥り、法華経()()(ほん)第三の読み下しとなっている地獄道の惨状に苦しめられる。

「門を(くぐ)つて入り見れば、柱は虫喰ひ、処々(ところどころ)に壁破れ、高き堂舎(だうしや)(ちう)(こん)砕け朽ち…得も云はれぬ臭気四辺に充ち満ち」(一二章「霊婚」次も同)

 そこへ万公が神人として現れる。テームス家を罪業から救うために生まれたと言う。

「万公『テームス家の祖先が作つた罪業…万公は貴方(あなた)の祖先代々に苦しめられた憐れな人民の霊が凝結して万公となり、此世に生れ…テームス家の後を継いで此テームス家の財産を人民に平等に分配し罪を亡ぼさねば…祖先の罪は赦されますまい』」          

 また、信仰が、祖先の罪を消すのみではなく、子孫も天国に導くとある。

「三五教の大道(おほみち)に仕へ…祖先の(つみ)(とが)も朝日に露の消ゆる如…子孫の末に至る迄(この)()(なが)らに天国の清き生涯送り」   (一四章「春陽」)  

 なお、この勉強会が終わって十分後、叔母が亡くなったとの電話が入った。霊界での御幸はいを祈るばかりである。   

 (令7・2・26記)

〔『愛善世界』令和7年4月号掲載〕

コメント

タイトルとURLをコピーしました