社会の因襲的悪弊の排除(レポート28)

勉強会レポート

 田植えのための代掻きを終え、夜七時半からの勉強会にやや遅れて参加した。米作りは今年が三年目になる。

「朝早く田んぼにいるのは白鷺と雉子と()()(さぎ)吾とカルガモ」(朝日歌壇 令4・8・14) 

 昨年、全国版に掲載された私の短歌である。我が家の田は○・八ヘクタール。五月の田植えの後から九月の稲刈りまで、毎日、水管理を行う。現在、勤めながらであるが。父親は八十七歳まで米作りをした。六十五歳の私もあと二十年頑張るのか。

「八十歳の父がいつまで担い手か三百万かけ田植え機替えしが」(朝日歌壇 平25・7・8)

 この短歌が載ってまもなくして、父親は受託していた十ヘクタールの田を地主に返した。そのままでは荒れ地になるので、農協が音頭をとり受託組合ができた。しかし、そのメンバーも現在七十五歳になる。

 県の仕事で農政にかかわっていた三十年前、農地の圃場整備が大々的に進められた。しかし、今、その圃場の一部が荒れ地になり、耕作放棄地が県内にどんどん広がる。

 高齢化もあろうが、そもそも米作り自体が業として成り立たない現状がある。それは、県の担当者にも確認した。次は私の短歌。

「収入が五十二万で六十万費用かかりし今年の稲作」(愛善歌壇 令五年二月号)

 しかし、農地を受け継ぎ、一千万円をかけたトラクターやコンバインなどがある以上、私は米作りを続ける。趣味の一つとして。また、日本の食料生産を担っているとの自負をもって。

 先日、「食料増産命令」なる記事(朝日新聞 令5・5・11)があった。有事に備え、強制力を伴う新法を整備する方針とのこと。日本国内の農地を荒れるがままにして、何が「増産命令」かと思う。

 五月二十九日の勉強会は、五十四巻一六章から一七章まで。一七章の「火救団」。今回は、テームス家の娘スミエルが中有界に来て、結婚観を述べる。

「(男女)双方共に平等の人格と人格との結合でなければ真の恋愛でもなく、結婚でもありませぬ」「恋愛至上の思想があつて初めて一夫一婦の的確なる精神的、道理的、合理的基礎を与ふる事が出来る」

 スミエルの人格の尊重と恋愛至上思想を基にした結婚観を、赤の守衛が認める。

「恋愛神聖論者が…今日の人間としては(もつとも)(すぐ)れた考へだ」

 また、文中の「社会の因襲的悪弊の排除」を、出口聖師は常に主張されているとの感想が参加者からあった。

 また、話がLGBTに及んだ。「LGBTも人格尊重の観点から」「同性を結婚相手にしている」「教えの中に、LGBTに関したところはないか」など。

 私は、四十九巻(六章「梅の初花」)で、「高天原に於て男女両者の婚姻せるを一個の天人」と呼んでいることを紹介した。また、同章で、高天原の婚姻は智性と意志の和合で、夫は智性、妻は意志を代表すると説明されている。

(令5・5・30記)

〔『愛善世界』令和5年7月号掲載予定〕

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