⑧ ―二代さまの実話―「あんたたちが大本を守ってくれ」

「愛善世界」誌掲載文等

(聞き手 藤井 盛) 

 第三次大本事件を二代さまは予言されていたという。そのお言葉を直接、二代さまから聞かれた亀岡市のS氏に聞いた。
 なお、この二代さまのお言葉は、約三十年前の「愛善世界」に掲載されたとのことであるが、私には初耳であり、今もなお重いお言葉である。 

 

S氏 私は二代さまから「大本を守ってくれ」と言われた。ただ、守る方法がこの歳になっても何もわからないままだが。

藤井 いつごろ聞かれたのですか。

S氏 昭和二十四年ころ。二代さまは「大事な人に悪が憑いて、大本を九分九厘までみな取ってしまう。あんたたちが守ってくれ」と言われた。

藤井  何人かで聞かれたのですか。

S氏 島根の人たちと三人で聞いた。私らは同じところのグループだった。M・YさんやT・H君といっしょに、何ヶ月かに一回、天恩郷に奉仕に来ていた。その奉仕に来た最初と最後に二代さまにご面会をしていたが、その時に言われた。

 ちょうどこのころ、二代さまが恐くなったという噂が出ていた。もっとも私は、何も自分が悪いことをしたという気分じゃないから、何も恐いことはなかったが。

藤井 二代さまには神懸かりがあったと聞いていますが。

S氏 「大本を守ってくれ」と聞いた時にも神懸かりがあった。私たちが見たのは、瑞祥館の玄関を入った左側の応接間。私たちと話している途中で、二代さまは小さいが聞こえるような声で、一人でぶつぶつぶつぶつと赤い顔して一生懸命言われていた。

 「何も悪いことはしてないんだから許してやってください」などと言われていて、やがて、「そこに悪い奴が来ている」とか、「そこに霊が来ている」「そんなとこに隠れていてもわかっとる」とそれはすごい大きな声で言われた。

 そのうち、ほっと収まってきて、誰であるかはっきりとは言われなかったが、「大事な人に悪がついて、大本をみな乗っ取りに来る」とか、「大本もこの悪魔に、ほとんど九分九厘取られてしまう」と言われた。

 あの時はぽけっと聞いていて、何十年も頭の中から飛んで出て夢にも思わなかったが、三次事件ということになってきてから、えらいこっちゃわい、わし、これ聞いたわいと思った。

 これを島根の者も何人かが聞いていると思っていたが、T・H君が「島根の者でも、直接聞いたものはおらん」と言っていた。ということは、T・M君と私しかおらんということになる。         

(平成27年9月13日 於・皆神山)

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