信仰者の臨死体験(その2)(レポート10)

勉強会レポート

 大本の信仰がある我々は、有難いことに死後霊界に行くことを教えられている。

 「人間は未来の世界のある事が判らねば真の道義を行ふことが出来ぬ」「神幽現三界を通じて(ぜん)(あく)(せい)(じや)勤怠(きんたい)応報(おうはう)が儼然としてあるものと云ふことを覚らねば人生の本分は()うしても尽されない」   〔第十九巻霊の礎(五)〕

 平成二十九年七月の教義研修会でこれらを引用し、こうも話した。「もし森友問題等で政治家が欺騙(ぎへん)(あざむきだます)に富んでいるのなら、第六十三巻(第一○章)にあるとおり頭から地獄に落ちて行く」。現在もYouTube(藤井盛チャンネル)「大本講座『人生観』」で流している。

 九月二十七日の勉強会は、文助さんの二回目の臨死体験の箇所。第五十二巻第一一章から第一五章まで。文助さんは、最初の臨死体験で大神様に「悪の分子を取り去つて」もらい第三天国へ行かせてもらう。しかし今度は、悪の分子がついたまま中有界に行き、非常に驚いている。

 自分が天国に導いたはずの者たちが、中有界で迷っていた。また、彼らの恨みを、自分の夭折した子供たちが受けていた。

 「お父さまに(だま)された人がやつて来て、彼奴(あいつ)は文助の(むすめ)だと睨みます」

 両親もまた、罪を(つぐな)っていた(第一六章)。

 「お前の為に吾々夫婦は天国の団体から(おろ)されて、賠償的労働に従事してるのだよ」

 自らの誤りで、霊界の家族に苦労をかけていたのを文助さんは知った。私も、霊界の妻に苦労をかけないよう心しておかねばならない。

 中有界で、文助さんは宣伝使としてのあり方を教えられ、また慢心を戒められている。

 ◇「(みたま)を天国に上げるものは大神様よりな」く「又大神様の聖霊に充された予言者のみ、之をよくする」。

 ◇「今の宣伝使」は「自分が神様の気取りになり、神様の神徳を横領し」た「天賊」。

 ◇「なにほど尊い神の教でも、取次が間違つたならば、信者は迷はざるを得ない」。

 霊界に行き、身をもって文助さんは「未来の世界」や「善悪正邪勤怠の応報」を知り、真の道義、人生の本分を覚ったに違いない。

 帰幽し、「(しばら)く中有界に於て修行を致し(やうや)く諸天人の教を聞いて心を(みが)」いた文助さんが、第二霊国のエンゼル文治別命(あやはるわけのみこと)となり高姫を(さと)すほど、(みたま)を向上させている。

 「早く悔い改めて、この中有界を脱出し、早く天国へ昇つて下さい…生前の交誼(よしみ)()つて、一応御注意の為に」  (第五十六巻第九章)

 鈴木秀子さんは、臨死体験での光との出会い(レポート9)を思い出すたび、肉体の奥に、湧きいずる泉のように、生命の輝きがほとばしっているのを感じておられる。臨死体験が容易ではない我々は、霊界物語をしっかり学び、大神様の御内流をいただいてまいりたい。

         (令3・10・14)
〔『愛善世界』令和3年12月号掲載〕

コメント

タイトルとURLをコピーしました