三番叟「トートータラリ」(レポート7)

勉強会レポート

 六月二十八日、第五十二巻第二章から第四章までを勉強した。

 【あらすじ】

 第二章「哀別の歌」には、天界の天人のことが述べてある。初稚姫は、大神が太陽と現れ給う天国の天的天人で、()く神を祭り、宣伝使や信者の模範となり給うとある。また、言依別命は、大神が月と現れ給う霊国の霊的天人で、宇宙の真理を説き諭し、現幽神三界の真相を明かにし、すべての原動力とならせ給うとある。

 初稚姫は、珍彦などに別れを告げ、ハルナの都をさして出発する。この時の宣伝歌には、玉国別により建てられた(ほこら)の森の神殿が「霊国を地上に移したもの」だと示してある。

 第四章「俄狂言」には、祠の森の役員イク、サールが初稚姫の旅の同行を願い出る場面がある。しかし許されないので、先廻りして狂言の三番叟を「トートータラリ、トータラリ」と舞い、顎まで吊ってお供をしたいと懇願する。そこで初稚姫は大熊に、スマートは唐獅子となって二人を恐がらせて、ふり切るようにして進んで行く。

()(しん)の責任】

 第三章「楽屋内」でサールが「持身の責任」について宣伝歌を歌う。

 「何程下賎の身なりとも ヤッパリ神の生

 身魂 かからせ給ふ生宮だ 人は持身の責任

 を 忘れて此世にたてよまい 何程身魂が偉くとも 現実界に働くは 如何(どう)しても体が必要だ 霊肉 ともに完全に 保全しまつり大神の 大神業に仕うるは 人の人たる(つと)めなり」

 大神業に仕えるために大神から与えられた霊肉を、完全に保全するのは「持身の責任」、つまり我々自らの責任ということであろう。

 大本の御教えは「霊主体従」である。霊を主として働き、現世にミロクの世建設の為に生まれてきたのである。その身魂は神から預かったものである以上、霊肉ともに保全し、正しく生きて行かなければならない。

【三番叟と天祥地瑞】

 勉強会では、いつも輪読した後に各々が感想などを述べるが、今回は第四章の三番叟「トートータラリ、トータラリ」が話題になった。

 三番叟は「後世の芸能に影響を与えた。歌舞伎や人形浄瑠璃などに取り入れられ、また日本各地の民族芸能や人形芝居のなかにも様々な形態で、祝言の舞として残されている」(ウィキペディア)とある。

 この三番叟の謡について、第七十三巻(『天祥地瑞』子の巻)第四章「⦿の神声」で説明されている。⦿の神時代の(あま)の世を示した「ケケデタリ、キギデタリ、タラナタリ…」の神秘が転化した語にして、(あま)の世開設の形容を顕示したものだとある。

              (令3・7・13)
〔『愛善世界』令和3年9月号掲載〕

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