藤井 盛

「愛善世界」誌掲載文等

言霊(ことたま)の助(たすけ)に依りてー伊都能売神諭に学ぶー

○孫娘の不登校  孫娘の不登校で困っていたところ、愛善歌壇(『愛善世界』十月号)の短歌が目についた。 「思春期のこむずかしきに疲れたる吾に添ひ呉れる愛犬もなかは  京都 竹庭小菜」  この歌の「もなかは」は古語だろうか、どういう意味だろうか...
「愛善世界」誌掲載文等

(62)なお開祖のご苦労に報いる―大本神諭と霊界物語の一体性―

○人間味ある開祖を感じる  開祖ご昇天百年記念大本大祭の前日の平成三十年(二○一八)十一月二日、出口なお開祖のご足跡を福知山市内にたどった。今から六年前になる。(『愛善世界』誌平成三十一年一月号「開祖様のご足跡をたどる隣地研修会」以下参考)...
「愛善世界」誌掲載文等

(61)小糸姫と友彦―霊界物語の表現を味わう―

○妻も女丈夫 総じて、霊界物語に出てくる女性は女丈夫である。か弱く可憐(かれん)と見えし乙女は、あっと言う間に男たちを従える女頭目や大宣伝使となっている。  今回はその一人、小糸姫の話であるが、妻は、私が病室に来るのを待ち、お取次の拍手が終...
勉強会レポート

杖立温泉・白水荘(レポート41)

大正十二年八月三十日、出口聖師は宿泊されていた白水荘(当時梅屋旅館)を発たれた。それからちょうど百一年目の今年八月三十日、「迷走台風」「のろのろ台風」と言われた台風十号が杖立温泉の近くを通過した。  台風に関して過去も同様のことが、パインタ...
勉強会レポート

私の対外宣教(レポート40)

八月十二日(月)、中学校の同窓会で幹事代表として挨拶をした。妻も引き合いにして、霊界やユーチューブチャンネル、ホームページの語句を入れた。対外宣教のつもりもあった。 「卒業生一九一名のうち九名が、また担任の先生方もすでにお亡くなりになってお...
勉強会レポート

内外蒙古独立救援軍(レポート39)

入蒙に同行した合気道の始祖植芝盛平氏の特集が、『ムー』誌二〇二四年八月号にあった。「超能力」「神秘スピリチュアル」など表紙にある。  植芝氏が、大正八年に父親の病気平癒の依頼で、初めて出口聖師を訪ねたとか、入蒙中、銃撃戦で銃弾より先に飛んで...
「愛善世界」誌掲載文等

(60)天変地妖と宣伝使―私の泥海時代―

○湖水となる低地  昨年七月一日の朝、吾が集落の約二十ヘクタールの水田地帯が一面湖になっていた。増水した川の逆流によるものである。深さが三メートルにも達し、水田地帯の端にある住宅も何軒か孤立した。前日からの降雨量が二百ミリを超えていた。  ...
「愛善世界」誌掲載文等

(59)入蒙とトルマン国の物語―現界で最善を尽くす―

○白鷺の歌  父親の跡を継いで米作りを始めて、今年で四年目になる。二年目の夏、家族の中で私だけがコロナにかからず、九日間田んぼの中でヒエ取りをした。その結果か、三年目の昨年はよくお米ができた。  また、田んぼに入るようになって、その風景を短...
勉強会レポート

強い思い(レポート38)

平成二十六年から大本山口本苑で始まった八雲琴の研修会が今年十一年目に入り、六月七~九日で開催された。  この研修会の発端は、山口本苑で八雲琴の研修会をしたいという、柴田和子さんの強い思いである。その思いを託された私は、東京の葛目苑子さんに講...
勉強会レポート

神観の誤りを指摘(レポート37)

四月三十日(火)。いつも勉強会の初めは、参加者がそれぞれ近況などを話す。私は、その日目を通した『愛善世界』誌五月号で気づいたことを数点述べた。その一つで、徳重高嶺氏の「神定聖地の意義」の文章に触れた。 「開祖様、聖師様を過去の人としてしまい...
「愛善世界」誌掲載文等

(58)お歌にみる「みろく下生」

○松本清張著『神々の乱心』  松本清張氏の絶筆「神々の乱心」は、大本をモデルにしたもので、時代背景を第一次大本事件から入蒙あたりに置いてある。入蒙におけるパインタラ事件が、忠実に描写されている。 「出口王仁三郎は…張作霖の部将廬占魁軍の護衛...
「愛善世界」誌掲載文等

(57)入蒙を考える(その四)―エルサレム行きとは―

○神か狂(きちがひ)か  入蒙記は霊界物語特別編となる前、「王仁蒙古入記」(上野公園著)として大正十四年二月に出版されている。特に入蒙記の六章「出征の辞」から三五章「黄泉帰」までは、王仁蒙古入記の文章そのままである。 王仁蒙古入記(目次) ...
勉強会レポート

悲惨さを「おかしみ」が和らげる(レポート36)

「お父さんの嘘つき。もう少しじゃあなかった」と言われるだろうと思いながら、「もう少し、もう少し」と山道を登らせた。盆の暑い中をである。高熊山に一度お参りをさせておきたかった。  保津川沿いのトロッコ列車に乗せ、確かこの時だったと思うが、下山...
「愛善世界」誌掲載文等

(56)入蒙を考える(その三)―白音太来 (パインタラ) での辞世―

○松陰密航企てから七十年目の入蒙 吉田松陰に関係する私の短歌が、朝日新聞山口版の短歌欄(平成三十年九月五日)に載った。 「池田屋に斃(たお)れたる志士松陰の養母の実家も道の辺山口」  勤王の志士の実家も吉田松陰の養母の実家も、いずれも道沿い...
勉強会レポート

一大王国の建設(レポート35)

私は車の中で、自分が拝読した霊界物語の録音を聞いており、今朝は六十六巻を聞いた。その序文に「六十七巻として蒙古入りの真相を」「いよいよ六十八巻となり」とあることから、入蒙記は当初、六十七巻として発刊される予定であったことがわかる。  また、...
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(55)入蒙を考える(その二)―キリストの聖痕―

○三朝別院の歌碑  昨年十二月一日、鳥取県三朝温泉にある大本三朝別院の大祭に参拝した。その別院の玄関先に、昭和二年十一月に詠まれた出口聖師の歌碑がある。 「三四年前から来てみたいと思ふていた三朝温泉にやっと来ました」            ...
勉強会レポート

出口聖師に倣(なら)う(レポート34)

大本山口本苑では毎月一日(ついたち)、慰霊祭が行われる。先日の二月一日は一昨年帰幽した父親の二年祭があり、参拝した。また、以前、宝永七年帰幽の藤井妙淑毘女の三百年祭もあった。  その宝永七年(一七一○)の三年前、宝永四年(一七○七)十一月二...
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(54)入蒙を考える(その一) ―みろくの世の宝―

○杖立温泉と神功皇后  今年令和六年(二○二四)は、出口聖師が大正十三年(一九二四)に入蒙されて百年目に当たる。  一方昨年は、大正十二年(一九二三)に出口聖師が熊本県の杖立温泉で御手代を出されて百年目に当たった。十月二十九日、山鹿市の瑞霊...
勉強会レポート

平穏な日常のありがたさ(レポート33)

昨年十二月二十六日、勉強会が終わってまもなくして、お母さんが亡くなったという電話が入った。亡くなられたのは多賀谷紫(ゆかり)さん(九三歳)で、かつて私のインタビューにより「台湾時代の思い出」(「愛善世界」誌平成二十七年七月号)を語っていただ...
「愛善世界」誌掲載文等

(53)天の岩戸開きを考える(その四)

○八王子  九年前の平成二十六年九月、妻の母親の三回忌の法要で名古屋に行った。法要の後、津島市にある素盞嗚尊を祭神とする津島神社に参拝した。 津島神社 平26.9.13  津島神社は、素盞嗚尊が午頭(ごず)天王【註1】とも称されることから天...
勉強会レポート

悔悟の花が開く(レポート32)

十月三十一日の勉強会は五十五巻三章「万民」から四章「真異」まで。前回レポートの久米彦は「吾身に巣ぐふ曲神は…肉体見すてて逃げ出(いだ)す」(二章「道謡」)と、憑依していた悪神が逃げ出して改心に至ったと歌っている。朗(ほがら)かではあるが、何...
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(52)天の岩戸開きを考える(その三)

〇撞(つき)賢(さか)木(き)厳(いず)能(の)御(み)魂(たま)天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)之(の)神(み)言(こと) 六年前、妻の膵臓(すいぞう)がんがわかり、最後の旅行先となった吉野山で、妻は、子に恵まれな...
勉強会レポート

邪気・邪霊を払う(レポート31)

『愛善世界』誌七月~九月号の霊界物語は、一巻三篇の「天地剖判」(註)。宇宙の大原霊神(おほもとがみ)・国祖大国常命が金色の竜体に、また坤金神が銀色の竜体となって天地を造られる。その過程で邪神が発生するのもやむを得ないとある。 「地の一方では...
勉強会レポート

霊場に身を置く(レポート30)

八月二十七日の瑞生大祭に参拝した。四月のみろく大祭、弥仙山岩戸開き百二十年記念祭典(註1、註2)、そして、七月の高木明彦さんの葬儀に続く今年四回目の参綾となった。瑞生大祭後の七夕祭にも参拝したが、最終日は初めてのこと。開始が午後四時で、山口...
「愛善世界」誌掲載文等

㊿天の岩戸開きを考える(その一)

○竹生島に渡る  八年前の平成二十五年十二月、素盞嗚尊の三女神が祀られている琵琶湖の竹生島に、妻と渡った。渡る前には、天照大御神の五男神の一人、天(あま)津(つ)彦(ひこ)根(ねの)命(みこと)が育ったという彦根城【註1】も訪れた。 竹生島...
勉強会レポート

聴覚で証覚を円満ならしめる(レポート29)

八雲琴の家元・田中緒琴(初代・二代)親子が弾く「秋(あき)風(かぜ)曲(ふり)」へのアクセスが、私のYouTubeチャンネル藤井盛で四千回を超えた。綾部の方から、とてもいいテープを送っていただいたお陰である。  二代家元が主旋律を弾く「本手...
勉強会レポート

社会の因襲的悪弊の排除(レポート28)

田植えのための代掻きを終え、夜七時半からの勉強会にやや遅れて参加した。米作りは今年が三年目になる。 「朝早く田んぼにいるのは白鷺と雉子と五(ご)位(い)鷺(さぎ)吾とカルガモ」(朝日歌壇 令4・8・14)   昨年、全国版に掲載された私の短...
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㊾お腹をすかせた御先祖様~草野一也さんに聞く (3)~

福島県相馬市の草野一也さんから、今回はお腹をすかせた御先祖様の話を聞いた。 〇  農家の御夫婦が相談に来られた。旦那(だんな)さんの右の肩が重くなったままだという。家の周りを掃除し、井戸の周りの草も取った後、ほっとした時から、肩が重くなった...
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㊽『愛善世界』誌への投稿十年目―弥仙山岩戸開きを考える―

○文章は書けないと思っていた  『愛善世界』誌に初めて投稿したのは平成二十五年で、四月号に「霊界物語と私」【注1】が掲載された。それから今年がちょうど十年目になる。  私が病気で伏せていた時、自分が録音した霊界物語を聞いた。すると、お愛が生...
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㊼身に添う神々さま ―木花姫(このはなひめ)に学ぶ―

○念彼観音力(ねんぴかんのんりき))  平成二十八年八月、妻の亡くなった両親の分骨のため、日蓮宗総本山の身延山久遠寺にお参りをした。妻の母親の希望であった。私は久遠寺の広いお堂で観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五)を唱えた。経文には...
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㊻人間に生まれる― 因縁ある身魂と御用 ―

〇十和田湖の神秘  月鏡の最後に「十和田湖の神秘」がある。弥勒出世大願の「男装坊」が十和田湖に入定せんとし、湖の主たる竜神「八郎」を戦いの末、追いやる物語である。 一方、霊界物語三十五巻には、スッポンの湖の竜神を三五教の宣伝使が「言(こと)...
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㊺霊界物語 第16・17巻に学ぶ(4)~伊勢神宮・外宮の豊受大神は瑞霊・豊雲野尊~ 

【伊勢神宮・外宮の由来】  8年前の平成25年12月23日、式年遷宮のあった伊勢神宮の外宮を参拝した。外宮には式年遷宮を記念した博物館「せんぐう館」があり、外宮の由来が説明してあった。 伊勢神宮外宮 式年遷宮参拝 平25.12.23 「式年...
勉強会レポート

血まなこになって霊界物語を拝読する(レポート27)

王羲之の代表作「蘭亭序」にちなんだ書道展の紹介紙面(朝日新聞 令5・3・24)に、「名誉顧問 杭迫柏樹」氏の名前があった。氏は著名な書家であるとともに、大本を弾圧した京都府特高課長杭迫軍二氏の子でもある。 ○  出口聖師が、第二次弾圧事件に...
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㊹満州事変と出口王仁三郎聖師~三谷清氏の大きな御用~

昭和六年九月十八日、満州事変が勃発した。満州国が建国され、日中戦争から太平洋戦争へと至った。聖師は国家弾圧を引き込み、第二次大本事件を太平洋戦争の型となして、日本の軍備撤廃をなした。  聖師が積極的であった満州国建国や太平洋戦争の発端となっ...
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㊸慰霊祭での不思議な話~草野一也さんに聞く(2)~

福島県相馬市の草野一也さんから、今回は慰霊祭での不思議な話を聞いた。 〇  一つ目は、慰霊祭の最初に行う八方祓いの折のこと。八方祓いをする祭員が、黄金の光に包まれていた。東海本苑の桜井先生から聞いてはいたが、実際に自分の目で見たのは初めてで...
勉強会レポート

第三次大本事件四十年(レポート26)

昭和五十七年(一九八二)五月二十六日、大本本部は、出口直美様の教主継承者変更を決定した。  その後、全国青年部長会議が亀岡の天恩郷で開催されることとなっていた。そこで配布する資料のホッチキス止めを、結婚したばかりの妻とした。当時私は二十四歳...
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㊷霊界物語 第16・17巻に学ぶ(3)~宣伝使長 悦子姫の神人合一~  

第49巻(第6章「梅の初花」)に、八島主が初稚姫に結婚について語っている。ここに悦子(よしこ)姫(ひめ)の名が出て来る。独身ゆえの大活動とある。 「八人(やたり)乙女(おとめ)の方々でも夫を持たれた方は家庭の主婦として自由自在の活動が出来な...
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㊶妻の昇天と「お取次」

私の妻は、平成二十九年十月三十日未明、六十歳で亡くなりました。  妻は膵臓ガンの治療で再入院していました。亡くなる前日に、妻の様子が急におかしくなりましたので、夜は上の娘が病院で付き添いました。  すると夜中三時に、娘から病院に早く来るよう...
「愛善世界」誌掲載文等

㊵お孫さんの不思議な話 ~草野一也さんに聞く(1)~

福島県相馬市の草野一也さんから、お孫さんの不思議な話を聞いた。  草野さんからは、これまでも慰霊祭やお取次での不思議な体験をお聞きし、それらは『愛善世界』誌(平成二十八年九月号、令和二年三月号)に掲載されている。今回は、現在二十歳のお孫さん...
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㊴霊界物語 第16・17巻に学ぶ(2)~鬼彦・鬼虎の改心~ 

○鬼彦・鬼虎の改心の過程  さて、文章の第1回目で示した霊界物語が現実味を増す舞台設定の中で、第18巻「総説」にあるとおり、悦子(よしこ)姫らの宣伝使により、邪神が改心する物語が展開されている。  「英子姫、悦子の姫と諸共に、自転倒(おのこ...
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中国電力社長への手紙(レポート25)       

中国電力(株)社長の瀧本夏彦さんあてに手紙を出した。簡易書留で「代表取締役社長」とつけて本社に送った。瀧本さんは、高校三年間のクラスメートである。 ○ 前略 テレビでも拝見いたしました、中国電力社長へのご就任、おめでとうございます。一方、厳...